一部の特権階級のみに「貢献する」場合、その他非特権階級の方々からの収奪とセットとなる可能性が高い。
数百年前の農奴や、日本での戦前までの小作人は、確かに領主、地主に貢献していたが、領主、地主の富と引き換えに、日本でも女工哀史に代表される人身売買等の悲惨な犠牲が払われていた。
この観点からヘッジファンド、という事業体の評価をするならば、
彼らの投機により、食糧価格が急騰し、結果全地球的な食糧の最適配分が阻害されている面も否定できない。
また、ポールソン&カンパニーにしても、彼らの利益創出はSubprime住宅ローン債務者のDefault、それによるCDOの無価値化=CDS保有者へのCDO額面金額の支払、という仕組みに負うており、CDO保有機関投資家の巨額の損失と、多数の住宅ローン支払い不能者の犠牲の上に成り立っている。
そもそも論として、投機の世界は「有限の価値の奪い合い」であり、
誰かが儲ければ、誰かが損する。
これが短期的に行われるが故に、そこから「価値」が創出される可能性も低い。
仮に長期投資戦略を鑑みる場合、投資した資金をベースにその企業が新たな技術やサービスを創出し、「社会」「経済」の富の増大に「貢献」できる可能性がある。
短期的な売買、しかも現在のように実物の移動がない、デリバティブを活用した「博打」では、実体経済・社会における価値は生まれようもない。
よく、ヘッジファンドの存在意義として、「実態価格と理論価格の乖離の解消」
つまり、バブルの未然防止、デフレからの回復、等の「調整弁」機能を上げる方もいる。
先物に投資をする限りにおいて、確かに実物価格への影響はゼロではなく、
ある程度の「調整弁」の役割も果たす可能性はあるが、
それにより、商品、例えば食糧や、鉱物(金・銀・白金等)の生産量が向上するか、
と言えば、決してそのような事はない。
ポールソン&カンパニーの提供価値は、唯一、不動産バブルを崩壊させ、
これ以上の信用膨張を防いだことだろうが、
バブル経済の軟着陸を望む多くの人間の希望をしり目に、
急激に崩壊した信用の失墜に拍車をかけた意味では、
たとえ合法とはいえ、社会に与えた害悪もまた大きい。
社会、経済への提供価値の多寡により、企業の存在意義が決せられる、
との前提に立てば、
ポールソン&カンパニーも含め、ヘッジファンドという事業体には、
存在意義があるとは、考えづらい、という結論に至る。





















