これまで、ナショナルチームとしての日本政府トップの弱さゆえに、韓国に敗北する、軍事技術提供とのバーター条件付き、という日本にはできな裏ワザでロシアに負ける等、もろもろあったが、今後、急激な電力需要の増大を見込む新興国こそ、環境配慮もできる上に、公表数字上発電効率の高い原子力は、高い買い物ではあるが、中長期的には十分ペイできる品物であったはずだ。
しかし、今回の原発で、新興国の国々が、従来同様に原子力発電依存度を高める政策を変更しないか、と言われると、極めて疑問だ。
Ustreamでご覧になった方もいらっしゃるかと思うが、その背景の戦略的意図は別として、ソフトバンク孫社長のプレゼンによれば、原子力は従前KWあたり発電コストが5,6円であるとされてきたが、実際は15円前後であり、他の石化燃料系発電と同じかそれ以上のコストがかかっていたのが現実であった、との話もある。
また、プルサーマルにより、半永久的に燃料を再利用できるとするが、実際にプルサーマルを実行する施設建設、運営のコストは、発電コストには加算されていないとの話もある。
現実的には、周辺住民への補助金等の付加コストも含めての話なのかもしれないが、安い発電インフラである、という神話は、おとぎ話に過ぎない可能性が否定できなくなってきている。
安全神話も、こと日本においては、完全に崩壊したといえる。
もはや、追加で原子力発電所を付近に建設するとした場合に、賛成する住民もいないし、そのような事を提唱、誘因しようとする地方行政議員もでづらいだろう。
コストと、安全。仮に地理的条件から鑑みてこれらをクリアできても、東電社員の方々、自衛隊の方々の必至の努力にもかかわらず、一向に前進でいていないように感じる福島原発と、その周辺にレベル7の警報がでてしまった事実が、この日本で起きた事実は、周辺アジア新興国各国に対する心理的インパクトは半端ではないだろう。心情は論理ではない。ゆえに、そう簡単にぬぐいさることは難しいと考える。
東芝も、スマート・メーターのランディス・ギアM&A合意を進める等、ウェスチングハウス買収により、原子力への選択集中戦略を早々に舵切し始めている。
以前本ブログでも紹介したが、環境技術は大企業に集約しており、
シリコンバレーのように、数億ドルを集めて、大企業から経営幹部を招へいしてベンチャーで攻める、という土壌は日本国内には無い、と考えてよい。
となれば、新興市場というより、やはり技術を保有する大企業投資狙いを中核に想定すべきである。
原子力銘柄はさけたほうが妥当だろう。ただ、東芝のように戦略転換とその実行までをあそこまで高速に行える(そのためには、恐らく事前に原子力特化戦略に、次世代クリーンエナジー集中も包含されており、準備をすすめていたものと想定されるが)企業ももしかしたら、面白いかもしれない。
また、日立も原子力には注力してきたが、中西社長の下、ドラスティックに事業ポートフォリオの組み替えを推進しており、期待できるかもしれない。
続く