現実的に、この20年間、国民の労働環境は構造的に大転換を起こしている。
先に「競争主義」の盲目的導入を書いたが、
最大の変化は、「労働力費用の変動費化促進」、つまり、非正規社員化の促進である。
結果、数値的に見ると、現在日本国内全労働人口の34%が、非正規社員、という状況が生み出されている。
好景気時代、中国労働力を利用しつつ、台頭してくる現地法人の追撃に対抗するため、
どうしても国内で行わなければならない製造工程を担う人件費の削減も迫られた製造業経営は、
人材市場の規制緩和路線を活用し、急速に非正規社員化を進め、人的費用の削減と、変動費化、を必然的に進め、
それは、日本労働階級の格差拡大につながっていく。
数値的に見ると、格差感覚を示すジニ計数も上昇傾向にある。(06年で0.547)
何度も書いているが、少なくとも私自身はリーマン・ショック前の好景気で、
過去最高収益を出す企業業績の恩恵を受けた記憶は無い。
逆に、社外、社内競争環境が激化し、
全体として殺伐とした雰囲気が社会全体を覆っていたようにも思う。
労働者階級を中心として、小林多喜二の蟹工船など、
プロレタリア文学が人気を博していた?
のも同時期であり、
そのターゲットとなっていたいわゆるワーキングプアという言葉が生まれたのも同時代である。
こうした中、米国主導のハイ・レバレッジ型消費を機軸として、
BRIC'sをはじめとする新興国の経済的存在感が増大していった。
そして、リーマン・ショックが起こり、
米国で70兆円、中国で55兆円、日本でも同程度の金額の公的資金
つまり、財政が市場に投入され、
結果、一時的に、先のBRIC'sの内、中国と、ブラジル、インドは、
早くも経済再生を完了しているかに見え、
同時に、資源、商品(マテリアル)価格の上昇傾向により、
その原産国、オーストラリアなどは、すでに、利上げに転換し、
世界的財政出動により国内に発生した過剰流動性、つまりバブルを冷やそうとし始めている。
こうした中、米国、EU各国も後で述べるが、
その不安程度にかけては実質的に遜色ないが、
我が日本は、2009年ロンドンで開催されたヘッジファンドの世界会議で、
「新興衰退国」なる、きわめて不名誉で、且つ、表層的にしか日本、世界経済を見ていない限りは、
憤慨を覚えるような称号を頂くにいたっているのである。
続き・・・ 日本経済崩壊シナリオと、実践資産防御戦略

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