かような状況にあるロシアが、09年5月27日、IMFが1945年創設以来、初めて行う市場からの「債券」資金調達に応じると言う。
最大100億ドル(約9600億円)のSDR(特別引き出し権)建て債券となる可能性が高く、ロシア側からは早期発行を要請されているとのこと。・・・・・(「記事全文表示」クリックにて、続きを読めます。
会談前に握手をするブラジルのルラ大統領と中国の胡錦濤国家主席(新華社=共同より)
SDRとは、IMFに出資するドル、ユーロ、円の合成通貨バスケットであり、各国は出資額に応じて「引出権」を持っており、この権利そのものを示す。
中国も09年4月のロンドンで開催された第二回金融サミット開催直前、中国人民銀行総裁、周小川氏が、SDRをドルに代わる世界機軸通貨とすべき、とする提案を行ったことは記憶に新しい。
これにロシア、ブラジルも同調している。
09年5月19日、ブラジルのルラ首相は訪中し、中国社会科学院にて、中国・ブラジル間の国際社会での連携強化の重要性を訴え、19日の胡錦濤中国国家主席との共同声明では、両国中央銀行間での連携強化も提唱された。
ロシアと中国間の融資と、エネルギー長期安価・安定供給の約定、中国・ブラジル間の資源開発、中央銀行活動面での提携。
これにインドが加わり、BRIC's主導での、SDRを代替とするドル基軸通貨体制排除と、エネルギー・人口・経済成長性・軍事力を背景として米国覇権体制そのものを崩しに掛かろうと目論んでいるものと見える。
今回のオペル買収にも中国自動車会社も手を挙げていることを鑑みても、実質的にBRIC's経済が、米国主導経済にとって代わる予兆は見え始めてはいる。
但し、特にロシア・中国がこのような動きを「拙速」に行う背景には、先述した、ロシア・中国国内における、「経済成長」で押さえ込まれてきた「権威主義」・「共産党独裁」に反発する人民の怨嗟への、当局の体制崩壊の恐怖があるのだろう。
いずれにしても、未だ、かように政治的、経済的、地政学的に不安定なロシアの市場参入を、「短期的なオペル再生の肝」とするとすれば、マグナの完成車事業成長の構想基盤は脆弱と言わざるを得ない。ドイツ政府の対オペルつなぎ融資、15億ユーロ(約2000億円)も水泡に帰すリスクは大きい、と考える。
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