新生GMは、6-18ヶ月の再上場を目指すという。しかしながら、M&Aによる「規模の経済」追求を、唯一といって良いくらいの「戦略」として掲げ、自動車製造事業体としての具体的な競争優位性が不透明な事は否めない。

1923年GM初代CEOに就任した中興の祖、アルフレッド・スローン・ジュニア
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過剰設備削減、人件費削減等の、「コスト削減」系努力の物足りなさに加え、「成長」側面でも不透明さが目立つ。
世界の自動車新車市場販売全体が縮小し、且つ、インド、タタの20万円自動車ナノ等、超小型自動車の出現、他米自動車会社同様、GMも大幅に出遅れている環境対応規制の世界的強化、という更なる逆風の中で、如何なるGrowth Strategyを立案・実行していくのか?
4月29日日経新聞朝刊にて、「ビッグスリー凋落の理由」と題する記事で、以下のような意見記事が提示された。
"米ビッグスリーはなぜ凋落(ちょうらく)したのか。思いをはせると、日米自動車メーカーの経営者の意識の違いが浮かび上がってくる。
過去に、何人もの世界の自動車メーカーのトップと会う機会に恵まれた。米企業の経営者と話をしていて違和感を覚えたのは、車を「どれくらい売るか」ほどの執念を「どうつくるか」には感じられないことだった。
売り上げや利益を高める計画はどんどん口を突いて出てくるのだが、生産現場の泥くさい話や開発秘話などはほとんどない。車という商品を使っていかにもうけるかで頭がいっぱいなのか。現場感覚が鈍く、この人は何の会社の経営者なのかと、首をかしげたくなるのもしばしばだった。・・・(中略)・・・ GMのトップは三月末に辞任したリチャード・ワゴナー氏まで四人中の三人が財務部門の出身。これに対し例えばホンダは六月末に新社長に就く伊東孝紳氏を含め、歴代社長の全員が研究開発部門である本田技術研究所のトップ経験者だ。自動車メーカーの盛衰を決める環境技術で開いた差は、決して偶然ではない。・・(後略)"
GMは1908年、米国フリントの馬車製造事業者、ウィリアム・デュラントが「ビュイック」を買収してから始まった100年企業である。
その過程では、米国屈指のMBA、MITスローンスクールが冠する名経営者「スローン」、アルフレッド・スローンが成長を牽引した。
世界で最初に、
・事業部制導入
・ROI(Return on Investment)等の財務指標による経営判断KPI(Key Performance Indicator)導入
を行い、各事業部が独立採算で事業運営され、GMのCorporateは、数字ベースで全社戦略を立案・実行すれば良い、近代的なManagement Systemが整備された。
またMarketing面では、
・高級車から低価格までのフルラインナップ提供
・モデルチェンジによる買換え需要の喚起などの新型マーケティング手法導入
により、黒色のT型フォード一辺倒のフォードと比較し、多様な階層の消費者をひきつけ、且つ、彼らの生活環境変化の時期にも、ブランドスイッチを起こさせない「囲い込み」を実現した。
最後に、これは今となっては、レガシーコスト「負の遺産」と化したが、
・充実した年金、退職者向け医療給付
を導入し、ES(従業員満足度)向上による、先進的企業イメージをアピールした。
次号、今後のGMの方向性検証と、GM破綻の日本経済への影響序章へ
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